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 5-(49).伊勢神宮には何故、「風」や「土」が名前につく宮があるのか?(その1)


 伊勢神宮には、何故か、「風」、「土」という言葉が名前に入る宮が重要な宮として存在します。

 例えば、内宮(ないくう)皇大神宮(こうたいじんぐう))には、風日祈(かぜひのみの)宮があり、外宮(げくう)豊受大神宮(とようけだいじんぐう))には、風宮(かぜのみや)土宮(つちのみや)があります。
宮 名 祭 神 備 考
風日祈(かぜひのみの) 級長津彦(しなつひこの)(みこと)
級長戸辺(しなとべの)(みこと)
内宮(ないくう)の別宮の一つ。
風宮(かぜのみや) 級長津彦(しなつひこの)(みこと)
級長戸辺(しなとべの)(みこと)
外宮(げくう)の別宮の一つ。
土宮(つちのみや) 大土乃御祖(おおつちのみやの) 外宮(げくう)の別宮の一つ。
 天照大神が風や土と特別な関係があるわけでもなく、また、風や土の神が神話上、重要な役割を果たしているわけでもありません。
 私は伊勢神宮に参拝するたびに不思議に思っていたのですが、その疑問を解消するため、このたび、調査し、私なりの答えを出してみました。


 まず、風、土と聞いて思い浮かべるのは、西洋の四大元素です。四大元素とは、空気・火・土・水の4つの元素のことで、古代ギリシャ以降、西洋では、物質がこの四つの元素から成立しているという考えがありました(※空気は風、土は地とされることもある)。
 風と土でこの四大元素の内の2つを満たしていることになります。

 また、キリスト教には4大天使とされる天使がいますが、このそれぞれも以下の通り、四大元素に対応しています。
天使名 元 素 方 位 季 節 霊 力 美 徳 備 考
ミカエル 知性 慎重  
ガブリエル 想像 節制  
ラファエル 西 理性 正義  
ウリエル 感受 堅忍  
 なお、西洋の四大元素の東洋版とも言えるものに五行思想があり、それは、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという考えです。
元 素 方 位 季 節 聖獣 備 考
朱雀  
玄武  
青龍  
西 白虎  
中央 土用 麒麟、黄龍 土用は季節の変わり目のこと
 伊勢神宮については、陰陽道の思想の影響を受けているとの指摘がなされることもありますが、五行思想の方には、土はあるものの風に相当するものがなく、本件については関係ないと言えるでしょう。

 よって、以下では、「伊勢神宮の『風』、『土』と名のつく宮は、西洋の四大元素に基づいているのではないか」という仮説に基づいて、見ていきたいと思います。まず、外宮(げくう)からです。
<参考>
 四大元素や五行思想と似たものに、密教の五大(五輪)があります。
 これは、インド哲学に端を発するもので、もともとは三大(火・水・地)、もしくは、四大(火・水・地・風)が世界を構成する物質であるとされていたものが、そこに「空」を加えて五大とする思想が現れ、それが仏教に取り入れられたものです。
 この五大の前身となったインド哲学の四大は、西洋の四大元素と同じものを元素としています。


 外宮(げくう)風宮(かぜのみや)土宮(つちのみや)は、正宮から南よりの場所にかたまって配置されており、近くにあるのは、多賀宮(たかのみや)下御井(しものみいの)神社です。

 多賀宮(たかのみや)は豊受大神の荒御魂を祀る神社で、風宮(かぜのみや)土宮(つちのみや)と同じく外宮(げくう)の別宮。ちなみに、外宮(げくう)の別宮は宮外にある月夜見宮と合わせて計4つです。

 また、下御井(しものみいの)神社は下御井鎮守(しものみいのまもりの)神を祀る神社。 社殿はなく、その名の通り井戸を祀っています。通常、天照大神への神饌に使用する水は上御井(かみのみいの)神社の井戸のものを使用しますが、枯れたりして水を汲むことができない時は、下御井(しものみいの)神社のものを使用します。なお、上御井(かみのみいの)神社は正宮の西、約400mのところにあります。

 さて、下御井(しものみいの)神社が水を表すと考えて問題ないでしょう。風、土、水とそろい、残りは火です。

 多賀宮(たかのみや)が火関連なら話は早いのですが、結びつけるには無理があるようです。
 そして、外宮(げくう)で火関連のものを探すと、あるのは、神社ではありませんが、忌火屋殿(いみびやでん)です。こちらは、天照大神への神饌に使用する火を起こす建物で、正宮の北側にあります。
 確認はできていませんが、おそらく、忌火屋殿(いみびやでん)には、火の神を祀る神棚のようなものがあるのではないでしょうか。

 これらを地図上に図示すると以下の通りです。

     

 土と風が東西に配置され、天照大神に供される神饌に使用する水と火が南北に配置されています。
 しかし、残念ながら、先述した四大天使と四大元素との対応における方角とは一致していないようです。


 以上、次回の記事では、内宮(ないくう)について見ていきたいと思います。





【オマケ】

 正宮から風宮(かぜのみや)などの別宮へと至る道には、下図の通り、亀石と三ツ石と言われるものがあります。

   

 亀石は、川を渡る橋として使用されている石で、よく見ると、突き出た部分が亀の頭のように見えます。また、三ツ石は、三つの石が三角形の形に寄り添うようにしてあるものが祀られています。(※手持ちの画像がないので、興味のある方は画像検索して下さい)

 おそらく、亀石は、亀甲と言われる六角形の甲羅の文様から六芒星(ダビデの星)を暗示し、つまりは、旧約聖書の象徴。一方、三ツ石は、キリスト教の三位一体を表しているのではないかと思われます。



 さて、風宮(かぜのみや)土宮(つちのみや)と同じ場所に、多賀宮(たかのみや)が配置されている理由も考えてみたいと思います(※ぬるい仮説なので、そのつもりで読んで下さい)。
 社格的には、これら三つの宮が別宮で正宮につぐものですから、三つをワンセットと考えた方が良いと思われます。

 キリスト教で「3」と言えば、やはり三位一体。その観点から、この三つの別宮を解釈してみるとどうなるか、考えてみたいと思います。

 まず、風宮(かぜのみや)ですが、これは三位一体の聖霊に当たります。

 中国に伝わったネストリウス派のキリスト教である景教。現在でもその中国語による経典が一部残っていますが、その経典において聖霊は次のように表現されています。

       浄風、涼風、盧訶寧倶沙(※ルーハ(聖霊)の漢音訳)

 風宮(かぜのみや)が聖霊に相当すると考えるのは問題ないでしょう。

 残るは父と子ですが、土宮(つちのみや)(=地)は、地上に降臨した子、そして、消去法により、多賀宮(たかのみや)が父。


 以上、父に相当するとする多賀宮(たかのみや)を、消去法でしか説明できないのがつらいところです・・・





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