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 6-(7).上代特殊仮名遣い



 上代特殊仮名遣いとは、『古事記』・『日本書紀』・『万葉集』など、上代(奈良時代頃)の万葉仮名文献に用いられた表音的仮名遣いであり、単に「上代仮名」とも呼ばれることもあります。

 この、上代特殊仮名遣いと現代の日本語との違いは、母音の数です。

 現在、私達は、
a・i・u・e・oの5つの母音しか用いていませんが、上代は、この5つの母音の他に3つ、つまり、全部で8つの母音があったと考えられています。その3つとは以下の通りです。
・・・wiという音に近いもの
・・・
aiaの音が子音化したもの
・・・
ioyo(ヨ)とwo(ヲ)の中間音
 当時の人々はこれら8つの音を普通に言い分け、聞き分けており、平仮名や片仮名が用いられるようになる前は、万葉仮名(漢字)で書き分けられていました。

 例えば、タ段の「ト」も、「ト(戸)、ト(外)、トフ(問ふ)」などでは、「刀」「斗」「都」などが用いられ、決して、「止」「等」「登」などの字は使われません。
 一方、「トリ(鳥)、ヒト(人)、トシ(年)」などでは、逆に、「止」「等」「登」などの字が用いられて、「刀」「斗」「都」は使用されませんでした。

 この例で示したような、用いられた漢字の別で示される音の違いは、現在、上代特殊仮名遣いの甲類乙類と名付けて区別されています。
甲類 ・・・ a・i・u・e・oの母音が使用されているもの
乙類 ・・・の母音が使用されているもの
 また、甲類・乙類の区別があるのは、五十音全てについてではなく、以下の13のみです。
き・ひ・み・け・へ・め・こ・そ・と・の・も・よ・ろ

 (注)上記の濁音(ぎ・び・げ・ベ・ご・ぞ・ど)についても区別あり。
    また、「も」の区別があるのは『古事記』のみ。
 例えば、上述の「ト(戸)、ト(外)、トフ(問ふ)」は甲類の「ト」、そして、「トリ(鳥)、ヒト(人)、トシ(年)」は乙類の「ト」になります。

 また、通俗書で、『肥国は「火の国」であり、「日の国」でもあったのだ』というような、甲類・乙類を意識していない主張を見かけることがありますが、「肥(ひ)」と「火(ひ)」は乙類、「日(ひ)」は甲類で、別の言葉です。
 よって、肥国「火の国」というのはありえても、「日の国」というのはありえないのです。


 なお、どの漢字が甲類に当たり、また、乙類に当たるかは、Wikipedia「万葉仮名」やに一覧表がありますので参考になります。


(注)
 この、上代特殊仮名遣いにおける8母音説は、ほぼ定説と言ってよいものですが、異論もあります。(詳細は、Wikipedia「上代特殊仮名遣」を参照)



◆参考文献等
書 名 等 著 者 出 版 社
Wikipedia「上代特殊仮名遣」
Wikipedia「万葉仮名」
『真説 邪馬台国 天照大御神は卑弥呼である』
安本美典 心交社






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