旧約聖書『創世記』の予言


 「歴史は繰り返す」

 これは、ローマの歴史家クルチュウス=ルーフスの言葉で、過去に起こったことは、同じようにして、その後の時代にも繰り返し起こるという意味です。

 実際、「過去に起こったことが繰り返された」と言うのは良く聞く話で、例えば、面白い例では、共に暗殺されたアメリカ大統領のリンカーンとケネディの数多くの共通点というものもあります。(※詳細は、Wikipedia「リンカーン大統領とケネディ大統領の共通点」を参照)

 ただ、これらは、「個別のケースにおいて、似たような状況で似たような結果が生じた」という話で、「人類の歴史が同じことを繰り返している」という規模の話ではありません。

 そして、当記事でこれから記述する話は、実は、後者の「人類の歴史が同じことを繰り返している」という話に近く、「イスラエルの民は、旧約聖書をベースに、同じような歴史を繰り返しているのではないか」というものです。


 具体的に見ていきましょう。

 イスラエルの父祖と言えば、アブラハムですが、アブラハムの時代に起こったことは不思議なことに、その子孫のヤコブ以降に起こったことと似ています。

 例えば、アブラハムとヤコブは、共に飢饉の為にエジプトに移住しています。

<アブラハム>
○カナン地方が飢饉になった為、エジプトへ移住する。
<ヤコブ(イスラエル)>
○ヤコブは、カナン地方が飢饉になった為、一族と共にエジプトへ移住する。

※行方不明になっていた息子のヨセフがエジプトで宰相になっており、その導きで移住となった。

 続いて、エジプトでの出来事ですが、

<アブラハム>
○エジプトのファラオが、アブラハムの妻サラを宮廷に召し入れる。
○その後、ヤハウェが重い病をもって、ファラオと宮廷を撃つ。
○カナンへ移住。

※ファラオがサラを宮廷に召し入れたのは、アブラハムが妻ではなく妹だと偽っていたから。ヤハウェは、ファラオがアブラハムの妻を宮廷に召し入れたことに怒って祟りをなす。
<モーセ>
○モーセの時代、イスラエルの民はエジプトで奴隷として使役されていた。
○モーセはヤハウェに命じられて、疫病などの災厄をエジプトに起こす。
○イスラエルの民を率いて、カナンへ移住(BC13世紀頃)。

※イスラエルの民がカナンに入ったのは、モーセの次の世代になってから。

 なお、最初の、妻サラとイスラエルの民との対比は、一見、結びつき難く感じるかも知れません。しかし、預言者たちの書では、よく、イスラエルの民はヤハウェの妻に譬えられ、他の神々を信仰していることを「淫行」とか「姦淫」と非難されています。(ex:『ホセア書』)

 そして、続きです。

<アブラハム>
○甥のロトと分かれて住むことにする。
○ロト、王たちの戦いに巻き込まれ、財産を取り上げられ連れ去られる。
○アブラハムによってロトが救出される。

○イスラエル王国の分裂(BC928年)。
○南ユダ王国がバビロニアに滅ぼされ、民がバビロニアに連れ去られる(バビロン捕囚。BC597年、BC586年)。
○ペルシア帝国のキュロス王によって解放され、イスラエルへの帰還を許される(BC537年)。

 さらに、続きます。

<アブラハム>
○待ちに待った一人子イサクが生まれる
○アブラハムは、ヤハウェへの生け贄として、一人子のイサクを捧げる。
○ロトの住んでいたソドムが、ヤハウェによって滅ぼされる。

※イサクが生まれた時、アブラハムは100歳。
※ソドムの滅亡の記述は、イサク誕生より前
<イエス>
○神の一人子イエスが生まれる。
○イエスが十字架に架けられる。
○ローマ帝国によって、エルサレムは壊滅。ユダヤの民は追放され、離散する(ディアスポラ。AD70年頃)。

※イエスが十字架に架けられたことは、人々の罪を贖うための生け贄であるとされる。

 ここまでで、アブラハムの方は、その子のイサクまで登場しました。
 続いて、イサクの子、ヤコブ(イスラエル)と、そのまた子のヨセフの話になります。

 そして、これまでは、時系列順に対応が見られましたが、ヤコブとヨセフは並列に対応することになります。
 より具体的には、以下の通り、ヤコブは南ユダ王国の民、つまり、イスラエルの12部族の内のユダ族、ベニヤミン族を、そして、ヨセフは北イスラエル王国の民に対応しています。

 まずは、ヤコブです。

<ヤコブ>
○双子の兄に殺されるのを避けるために、カナンを離れ、伯父ラバンのいるハランへ。
○伯父ラバンに酷使される。
○伯父ラバンのもとから逃げ、カナンに帰還
○神と格闘して勝ち、「イスラエル」を名乗るように命じられる。
<ユダ、ベニヤミン族>
○ローマ帝国に滅ぼされ、離散の民に(AD70年頃)。
○世界の各地で迫害を受ける。
○世界各地からイスラエルの地へ帰還。
○イスラエル国の建国(1948年)

 続いて、ヨセフです。

<ヨセフ>
○兄弟たちから暴行を受けた後、奴隷として売り飛ばされ、以後、行方不明になる。
○実は、エジプトで宰相になっている。
<ユダ、ベニヤミン族以外>
○北イスラエル王国がアッシリアに滅ぼされ、奴隷として強制連行される(BC722年)。以降、行方不明になる(いわゆる「イスラエルの失われた10部族」)。
○実は、日本に来ていて、日本を建国している。

 「『イスラエルの失われた10部族』が日本に来ていて、日本建国に携わった」というのは自説によるものですが、詳細は、拙著、『古事記に隠された聖書の暗号』を参照願います。

 以上が、現在までに既に起こったことです。かなりの整合性が見られることが分かると思います。

 そして、これ以降のヨセフの物語の内容から、これから起こる未来の出来事が予測できることになります。
 まずは、ヨセフの物語の続きを見てみましょう。

<ヨセフ>
○カナンの地が飢饉になり、兄弟たちがエジプトに食糧を求めにやってきて、宰相のヨセフに会う(兄弟たちは、宰相がヨセフだとは気づかない)。
○ヨセフが自らの正体を明かし、兄弟たちは、父ヤコブも含めた一族と共にエジプトへ移住する。

 この物語から未来を推測すると、次の通りです。

○イスラエル国が飢饉、もしくは、それに類する状況になって、日本に援助を求めてくる。
○最終的に、日本が「イスラエルの失われた十部族」の作った国であることが明らかにされ、イスラエル国の人々が日本に移住する。

 なお、イスラエルの民は世界各地に散らばっていますから、イスラエル国の人々に限定する必要はないでしょう。

 そして、『創世記』はヨセフの物語で終了ですが、その続きは『出エジプト記』になります。
 『出エジプト記』から、さらに未来を推測してみましょう。

<モーセ>
○モーセの時代、イスラエルの民はエジプトで奴隷として使役されていた。
○モーセはヤハウェに命じられて疫病などの災厄をエジプトに起こす。
○イスラエルの民を率いて、カナンへ移住(BC13世紀頃)。

○イスラエルの民が日本にて、困難な状況に置かれるようになる。
○日本に災厄が起きる
○イスラエルの民が、日本からカナンへと移住する。

 最終的に、日本に来たイスラエルの民は、カナンの地へ戻って行くことになります。

 以上が、『創世記』と『出エジプト記』から読み取った未来予測ですが、これに、『ヨハネの黙示録』の内容を加味してみましょう。

 まず、先に示した

○最終的に、日本が、「イスラエルの失われた十部族」の作った国であることが明らかにされ、イスラエル国の人々が日本に移住する。

ですが、これには、エジプトのヨセフに相当する人物が日本にいなければなりません。そして、その人物が、再臨のキリストになるでしょう。
 また、『ヨハネの黙示録』には、イスラエルの12部族の人々に神の刻印が押され、小羊と共にシオンの山に立っている光景が描かれています。これが、イスラエル国の人々の日本への移住と関連していると思われます。

 そして、その後、『ヨハネの黙示録』では、小羊が支配する千年王国が築かれますが、これは日本で実現することになるでしょう。

 さらにその1000年後に、「最後の審判」が行われた後、天から新しいエルサレムが降ってきます。この1000年後の出来事が、上で示した、

○イスラエルの民が、日本からカナンへと移住する。

に関連し、イスラエルの地で、新しいエルサレムが建設されることになるでしょう。


 以上、当記事での未来予測は、拙著『「ヨハネの黙示録」開封』で示した解釈結果と基本的に一致するものです。よって、拙著と合わせて読んでいただければ、より詳細な未来像を把握することができることでしょう。


 では、最後に、

    「信じるか信じないかは、あなた次第です」(笑)。





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