『ヨハネの黙示録』時系列フロー

 『ヨハネの黙示録』を少し注意深く読めば分かることですが、『ヨハネの黙示録』には同じ出来事を指す事柄が複数記載されている場合があります。

 例えば、獣とその信従者たちが硫黄の炎で焼かれる様は、次の通り3ヶ所に記載されています。
《9章17-18節》
 私が幻の中で見た馬とそれに乗る人たちの様子はこうであった。騎兵は、火のような赤、くすぶった後、燃える硫黄の色の胸当てを着けており、馬の頭は獅子の頭のようで、口からは火と煙と硫黄とが出ていた。
 これらの3つの災害、すなわち、
彼らの口から出ている火と煙と硫黄とのために、人類の3分の1は殺された
《14章9-11節》
 また、第3の、別の御使いも、彼らに続いてやって来て、大声で言った。「もし、誰でも、獣とその像を拝み、自分の額か手に刻印を受けるなら、そのような者は、神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた神の怒りのぶどう酒を飲む。また、聖なる御使いたちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる
 そして、彼らの苦しみの煙は、永遠にまでも立ち上る。獣とその像とを拝む者、また誰でも獣の名の刻印を受ける者は、昼も夜も休みを得ない。
《19章20節》
 すると、獣は捕らえられた。また、獣の前でしるしを行い、それによって獣の刻印を受けた人々と獣の像を拝む人々とを惑わしたあの偽預言者も、彼と一緒に捕らえられた。そして、この二人は、硫黄の燃えている火の池に生きたままで投げ込まれた
 また、大いなる都に起こる大地震は、次の2ヶ所に記述があります。
《11章13節》
 その時、大地震が起こって、都の10分の1が倒れた。この地震の為、7千人が死に、生き残った人々は、恐怖に満たされ、天の神をあがめた。
《16章18-19節》
 すると、稲妻と声と雷鳴があり、大きな地震があった。この地震は人間が地上に住んで以来、かつてなかったほどのもので、それほどに大きな強い地震であった。
 また、
あの大いなる都は3つの裂かれ、諸国の民の町々は倒れた
 なお、複数個所に記載されているのは上記のものだけでなく、他にも、「神の裁きの開始」、「小羊と獣の軍勢の戦い」、その他がありますが、全ては記載しきれないので省略します。


 そして、この事実から分かることは、
『ヨハネの黙示録』に記載されている未来の出来事は、記載順に起こるわけではない
ということです。言い方を変えれば、同時進行で起こる複数の出来事が記載されていると言うことです。

 さらに、これらの事実から、重要な情報を引き出すことができます。

 同じことが記載されている出来事は、当然、同時に起こります。
 そして、同時に起こるのですから、それらを同じ時間軸にそろえて全体を整理すると、『ヨハネの黙示録』に予言された様々な出来事が、どの順番で起こるかがはっきりと分かることになるのです。


 整理したものが次のフローになります。

 
  (※図をクリックすると大きなものが見れます(新ウィンドウ))


 横長のマルに「同」と記して繋いでいるのが同じ出来事。また、便宜上、予言を「神の裁き 開始」、「第三次世界大戦 開始」、「キリストの統治 開始」の三つの区切り(※縦長の四角で記載した部分)で別けています。(※フローの文言を見ただけでは、何故、同じ出来事か分からないものもあると思いますが、ここでの説明は割愛します)

 そして、このフローで予言の起こる順番が分かれば、後は、数々の象徴を読み解くと、『ヨハネの黙示録』の予言の内容が明確に分かることになります。


 以上、その他、詳細は拙著『「ヨハネの黙示録」開封』を参照下さい。

          




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