質疑応答

 回答02 質問者:Y・Kさん 受付日:2011.06.25 回答日:2011.06.25

1.手の形(キリスト教の三位一体)の根拠文献

大変興味深くホームページ「全ては古事記の中に」を拝見させていただきまして、勉強になりました。

中でも5(54)広降寺とキリスト教の三位一体について大変興味を持ちました。

文中の「〜少し分かりにくいかも知れませんが、この弥勒菩薩の右手は薬指と親指をくっつけています。

 そして、このような指の形を取ると、親指と薬指と手の平で三角形ができますが、キリスト教においては、この三角形が「父と子と聖霊」の三位一体の象徴となるのです。〜」

と、ありますが、この三位一体を表わすポーズについてはどの文献に記載されているのか、教えていただけましたら、幸いです



<回答>

 ご質問の指の形がキリスト教の三位一体を表わすことは、次の文献にて記載されています。

『仏教の中のユダヤ文化』 (久保有政・学研)
<P.242>
絵の中の右手に注目してほしい。親指の先と他の指1本とをつけて三角形を作り、残りの3本の指を伸ばしている。広隆寺の弥勒像と、あまりによく似たスタイルだ。これは景教徒たちが、自分たちの三位一体神信仰を表現するために用いていたシンボルなのである。
『キリスト教シンボル事典』 (ミシェル・フイエ(著)、武藤剛史(訳)・白水社)
<P.174>
指 doigts
祭司が祝福を与える際の右手の指の形は、各教会の祭式によって異なる。正教では、親指と薬指をくっつけ、他の三本を広げるが、その指の形はキリストの銘をかたどっている。すなわち、ギリシア語で「イエス・キリスト」を表わすIHCOYC XPICOCの頭文字のIとX(イオタとキー)の形。ラテン式典礼では、薬指と小指は掌の上に折り曲げ、他の三本は広げるが、その指の形は三位一体を表わしている。
<P.79>
三角 triangle
@正三角形は三位一体の神を表わす。この正三角形の中心に神の眼差しの偏在性を表わすひとつの目が描かれ、さらに三つの頂点のそれぞれから光が発するさまが描かれることもある。 A三角形の後光は、三位一体の第一位格である父なる神にしか用いられない。







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