イエス・キリストの磔刑の場面を描いた西洋絵画には、よく十字架の上に罪状板が描かれ、そこに「INRI」と記されている。ラテン語の場合、IとJが可換なので、中には「JNRI」などと表記しているものもあるが、読み方は「インリ」である。この「インリ」こそ、イナリなのではないかというのである。
〜(中略)〜
そこで、今一度、ラテン語の文章を見てほしい。「INRI」は一般的に「インリ」と発音しているが、「N」の部分は「Nazarenus」の略であり、母音を補うならば「Na」でもいい。というより、本来は、そう発音されるべきものだったのかもしれない。だとすれば、「INRI」は「INaRI」=「INARI」、すなわち「イナリ」となるというわけである。
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