5-(68).猿田毘古神=イエス・キリスト(その5)

 ※当記事は(その1)(その2)(その3)(その4)からの続き


5.三位一体の神に合祀された人物

 猿田毘古神は死んでしまいましたが、『古事記』では続いて、(あめの)宇受売(うずめ)の話が語られていますので、そちらを見てみたいと思います。
邇邇芸(ににぎの)(みこと) 4.猿女の君」 <『古事記』・現代語訳> ※(その4)からの続き
 さて、(あめの)宇受売(うずめの)(みこと)は、猿田毘古神を送って帰って来て、ただちに大小のあらゆる魚類を負い集めて、「お前達は、天つ神の御子の御膳(みけ)としてお仕え申し上げるか」と問いただした時、多くの魚がみな「お仕え申しましょう」と申し上げた中で、海鼠(なまこ)だけは答えなかった。そこで(あめの)宇受売(うずめの)(みこと)は海鼠に向かって、「この口は答えない口か」と言って、紐小刀(ひもがたな)でその口を裂いた。だから今でも海鼠の口は裂けている。こういうわけで、御代ごとに志摩国(しまのくに)から初物(はつもの)の魚介類を献上する時に、猿女(さるめの)君たちに分かち下されるのである。
 (あめの)宇受売(うずめ)が、志摩国(しまのくに)御膳(みけ)を提供する国へと定めた話が記載されています。

 さて、これまで(あめの)宇受売(うずめ)が、日本版三位一体の女性版で三人の巫女が合祀されていると記載してきましたが、ここで、具体的にどの女性かを明らかにしたいと思います。

 結論から言えば、それは、夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)、倭姫、神功皇后の三人です。

 夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)は、第7代孝霊天皇の娘で、『古事記』では特に活躍は記載されいませんが、『日本書紀』の方では、大物主神が神懸かりしたとする巫女的性格が記載されています。

 この人物の名前は、自説では、ヤマトという国の父母(とと、もも)と意味であり、ヤマト建国の立役者としての名前が付けられています。(『日本書紀』では、(やまと)迹迹日(ととひ)百襲媛(ももそひめの)(みこと)と表記)

 そして、これらの情報だけでは、この女性の重要性は見えてきませんが、他にも、和久産巣日(わくむすひの)神、豊宇気(とようけ)曾毘売(そびめの)神などと言った名でも登場しています(※詳細は拙著『古事記に隠された聖書の暗号』を参照。

 続いて、倭姫は、第11代垂仁天皇の娘で、天照大神を身に宿して諸国を遍歴し、最終的に伊勢神宮を創建したとされる女性です。

 最後に、神宮皇后は第14代仲哀天皇の妻で、お腹に応神天皇を宿したまま三韓征伐を行った女性です。


 そして、これら三人の女性が、(あめの)宇受売(うずめ)に合祀されている証拠に、(あめの)宇受売(うすめ)の物語は、以下の通り、これら三人の話が合成されたものとなっています。
天宇受売(あめのうずめの) 三人の女性 備考
 天孫のニニギにつきそって、葦原中国に降臨。 夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)
 伽耶から日本に渡来(※)
<神功皇后>
 応神天皇をお腹に宿したまま朝鮮半島に征伐に行き、日本に戻る。さらに、生まれた応神天皇を連れて、ヤマトの地に攻め入る。(『古事記』)
※『古事記』には明記されていませんが、自説によるものです。
 猿田毘古神の正体を明らかにした為、(※次行に続く) 夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)
 
日本に渡来時にイエス・キリストと対峙(※)
<神功皇后>
 神懸りした際、その神が「天照大神の御心ぞ」と告げる。(『古事記』)
※(その2)に記載した内容です。
その神が鎮まる地へと送り、(※次行に続く) <倭姫>
 天照大神の御霊を身に宿して旅し、伊勢の地に鎮めて伊勢神宮を創建。(『倭姫命世記』)
 
猿田毘古神の名を負って仕える。 <三人の女性、全員>
 最高神たる天照大神に巫女として仕えると共に、その名を負い、後世、これら三人の女性が天照大神と呼ばれるようになる。
  
 海の大小の魚たちを集めて、天つ神の御子に仕えることを迫り、承諾させる。 <倭姫>
 志摩の国を魚介類などの御贄の奉る国と定める。(『倭姫命世記』)
  
 また、これら三人の女性のキリスト教の三位一体との関係は以下の通りとなります。
キリスト教の
三位一体
日本版三位一体
(女性バージョン)
夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)
子(キリスト) 倭姫
聖霊 神功皇后
 一方、日本版三位一体である猿田毘古神が合祀されている三人の男性は、須佐之男とその長男と三男であり、それぞれの話が猿田毘古神の物語に以下のように反映しています。
猿田毘古神 三人の男性 備考
 天孫降臨の際、先導役となる。 <スサノオの三男(槁根津日子(さおねつひこ)倭宿禰(やまとすくねの)(みこと))・八咫烏(やたがらす))>
 神武東征の際、先導役を務める。(『古事記』)
※自説では、神武東征は、応神天皇を伴った神功皇后の東征の話が反映したもの。(※詳細は拙著参照願います)
 天宇受売(あめのうずめの)神と夫婦となる。 <スサノオ>
 天照大神と誓約(うけい)をして子を生む。

 天宇受売(あめのうずめの)神の一人である夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)と夫婦になる(※)。
※『日本書紀』で、夜麻(やま)登登母母(とともも)曾毘売(そびめ)と夫婦になったのは、大物主神であるが、自説では「スサノオ=大物主神」であると考える。  
 漁をしている時、貝に手を食い合わされて溺れ死ぬ。 <スサノオの長男(香坂(かごさかの)王)>
 神功皇后の東征の際、待ち伏せして返り討ちにしようと木に登った際、猪に食い殺される。(『古事記』)
※自然のものに食われて死ぬ
 なお、細かい説明をしていくと非常に長くなってしまいますので、詳細は拙著、及び、以下の記事を参照願います。
○記事「5-(27).須佐之男命=天なる父
○記事「5-(28).邇芸速日命子イエス・キリスト
○記事「5-(29).八咫烏=聖霊


 また、長男と三男は多くの別名で古事記に登場していますが、それらは以下の記事にまとめています。
5-(40).スサノオと「天照の一人目の巫女」の子供(再整理)




 ※続きは(その6)にて。






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